摂り過ぎもダメ?ビタミンDの1日の摂取量と上限

丈夫な骨を作ることで知られている「ビタミンD」ですが、最近になって、骨以外にもメンタルや免疫機能など、身体のあちこちに対して、とても大切な働きをしていることがわかってきました。

私たちの身体は、ビタミンDが不足すると、免疫力の低下、糖尿病、動脈硬化、筋力低下等を引き起こすおそれがあります。また、気になる花粉の症状や、日照時間が足りない時に起こる「冬季うつ」、女性が気になる月経困難症、こどもの発達障害など。これらの症状とビタミンDの関連も明らかになってきています(参照:新百合ヶ丘総合病院:袴田拓先生の記事)。ビタミンDは、心や身体の健康に必要な、今注目の栄養素のひとつといえます。

では、ビタミンDは1日にどのくらいの摂取量が望ましいのでしょうか。ビタミンDの1日の必要量と上限についてお伝えします。

ビタミンDが、体内で合成できる!?「太陽のビタミン」と呼ばれる理由

あまり知られていませんが、ビタミンDは太陽(紫外線)を浴びると体内で合成されるビタミンです。別名「太陽のビタミン」とも呼ばれています。かつては日本のような日照時間が十分な地域では、ビタミンDが著しく不足することはないと考えられていました。しかし、現代のとくに女性や小さな子どもは、美容や皮膚を守る観点から四季を通じてUV(紫外線)ケアを行うことが多いため、残念ながら太陽を浴びることによるビタミンDの合成量が十分とは言えません。

ここ数年は、異常気象の影響もあり、大量の花粉・長梅雨・猛暑など、屋内生活を余儀なくされることが増えています。さらには新型コロナウイルスの流行も。外出の機会が減っている現代の日本では、1年を通じて1日当たりの日照時間もかなり減っていると考えられます。これではますますビタミンDが不足するばかりです。

1日のビタミンD必要量・摂取量はどのくらい?

日本人のビタミンDの必要量については、厚生労働省による『日本人の食事摂取基準 2020年版』で目安量が示されています。これによると、成人女性のビタミンDの1日あたりの目安量は8.5㎍(マイクログラム)です。

赤ちゃんやこどもに必要なビタミンDの量はどのくらい? →

『日本人の食事摂取基準』は5年ごとに改定されますが、2015年版と2020年版を比較すると、「ビタミンD」の1日当たりの目安量は、

成人女性の1日の目安量
2015年版:5㎍

2020年版:8.5㎍

厚労省『日本人の食事摂取基準』より

と、2020年4月1日から大幅にアップしました。妊娠中や授乳期の女性についても、2015年版では妊婦さんが7㎍、授乳期の女性で8㎍でしたが、これらも1日あたり8.5㎍が目安量として刷新されています。

日光だけでなく、食べ物などから意識的にビタミンDを摂ることが大切ということになります。

不足する、ビタミンDの摂取量

しかし実際は、多くの日本人のビタミンDが不足している状態です。たとえば、日本人9,000名ほどの血中ビタミンD量を調査したところ、十分なビタミンD量を維持していない人が90%以上だったという報告もあります。*1

とくに女性のビタミンD不足は深刻で、H30年度の「国民健康栄養調査」によると、20~29歳の女性の1日あたりのビタミンDの摂取量は5.2㎍。30~30歳の女性の摂取量は、5.6㎍でした。

妊婦さんの1日あたりのビタミンDの摂取量はわずか5.0㎍、授乳期の女性が5.3㎍といずれも目安量を下回っています。

ビタミンD摂取量が不足するのはなぜ?

ビタミンDの1日当たりの摂取量が、必要量(目安量)よりも少なくなるのは、先に挙げたUVケアや外出自粛による日照不足も大きな原因ですが、それ以外に日本人の食生活の変化もまた原因のひとつと考えられています。

ビタミンDは、鮭・イワシ・しらすなどの魚に多く含まれます。かつての日本の食卓にはこれらの魚が登場する機会が非常に多くありました。

しかし最近は、これらの魚を身近なスーパーやオンラインスーパーから手に入れるのも難しくなりつつあり、若い世代の間で「魚離れ」も起こっています。「国民栄養調査」の魚類の摂取を過去と比較してみても

魚類の1日の摂取量
H27年69.0g

H28年65.6g

H29年64.4g

「国民栄養調査」より

と、年々減少しています。


これに加え、ビタミンDが含まれる食材はさほど種類がなく、手軽に摂れる食材・食品もまたそれほど多くありません(ビタミンDが摂れる6つの食材・食品 →)。

たとえば先に挙げた鮭・イワシ・しらすのほか、たとえばしいたけやきくらげにもビタミンDが含まれていますが、かなりお料理が好きな人や意識的に栄養バランスを考えている人でなければ、なかなか日常的に毎日気軽に摂れる食材とはいいにくものです。

これらの理由から、日本人のとくに若い世代でUVを気にする女性や小さな子ども、妊婦さんや授乳期のママにビタミンDが不足してしまっているのが現状です。

摂り過ぎにも注意!ビタミンD摂取量の上限

ビタミンDの不足については、ここまでにお話しした通りです。では、摂取量の上限についてはどうでしょう。まず、普通の食生活でビタミンDが過剰になることは極めてまれです。とはいえ、ビタミンDは脂溶性のビタミンですので、過剰に摂ると身体に蓄積されます。これにより、過剰摂取の弊害が起こることも。

ビタミンDの1日あたりの目安量が示されている『日本人の食事摂取基準』では、ビタミンDの上限(耐用上限量)も記されています。これによると成人女性の1日あたりのビタミンD摂取量の上限は100㎍です。摂り過ぎてしまうことで、食欲不振や嘔吐、下痢、腎機能障害を引き起こすこともあります。

食品で1日当たりのビタミンDの摂取量が上限を超えることはまずありませんが、サプリメントを利用するときは、1日の摂取量を守り、ほかのサプリとの飲み合わせにも注意しましょう。

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1粒あたり5㎍と分量の計算もしやすく、過剰摂取の心配もありません。

*1
Nakamura K et al. Impact of demographic, environmental, and lifestyle factors on vitamin D sufficiency in 9084 Japanese adults. Bone. 2015 May;74:10-7.